現在、Amazon Prime で無料で読める”ディエンビエンフー”(Điện_Biên_Phủ)について解説する。
概要
ポップでマンガらしい絵柄が特徴の戦争漫画である。
1960年代のベトナムを舞台に、チビで無能な戦争カメラマンとなんかやたらと超人的な少女が死闘を繰り広げるという壮大なスペクタクル*1
現在、Prime会員なら1-12巻まで無料で読めるようなのでお得である。
閲覧は端末内のKindleやPCブラウザのリーダー上で快適に読める。
↓各種端末やFirefoxなどのブラウザで閲覧できる
もともと693円かかるものなので、期間限定だと思われる。
閲覧期限は明記されていない。
淡々としたストーリー展開と血みどろの惨劇がPopな画で描かれるギャップ
※私は女性をひつじ扱いする奇癖の持ち主なので、この作品も以下そのように扱う。
↓撃たれる絵。まだソフトな方である。
ショッキングな画がポップなコミック調で描かれる。
表現上、不思議と陰惨に見えないので却って戦争の刹那性・即物性を強調している。
チビで無能なカメラマン
作中で”お姫様”と呼ばれているひつじ
この二人が運命的な出会いから血みどろの死闘を繰り広げる。
みたいなものである。
ベトナム予備知識
↓ベトナム地理と平均賃金
既に周知な事実かもしれないが、ベトナムは現代においても貧しい国である。
平均賃金 平均年収は約30万円、平均月収は約27,000円 とのことである。
2019.11.13
ベトナム戦争について
トラップなどの民兵によるゲリラ戦、ベトナム帰り米兵の重度PTSDなどが有名だろう。この作品ではアメリカ軍との戦闘が殆どであり、アメリカとの関係について取り上げていく。
ここも印象的。
ローリングサンダー作戦(Operation Rolling thunder)
↓”北爆”
militarywardiplomacy.blogspot.com
政治史の観点から見れば、米国の大統領に正式に就任したばかりのリンドン・ジョンソン(Lyndon Baines Johnson)が指導した最初の本格的な軍事行動であり、軍事史の観点から見れば北ベトナムに対する最初の組織的な爆撃となりました。
北爆開始決定までの経緯
>アメリカ軍は南ベトナム民族解放戦線に対する有効な軍事的行動を起こせずにあり、アメリカが南ベトナムに樹立した傀儡政権は、民衆の支持を全くといって良いほど獲得できず、民心から完全に離反し、崩壊の危機に瀕していた。
有効な手だてを打てずにいたジョンソン政権は、1965年3月に、起死回生のための策として、北ベトナムにおける軍事拠点を破壊して北ベトナムからの共産主義勢力の浸透を防ぎ、(中略)北ベトナムに対する恒常的且つ持続的な空からの爆撃機、戦闘機による爆撃(ローリング・サンダー作戦)を開始した。
要は支持率を回復させ、共産主義政権を叩くための政策だったわけです。
南ベトナム民族解放戦線
通称”ベトコン”。
Wikipediaより抜粋
まとめ
www.tnkjapan.com 有名な枯葉剤も登場します。
この作品を読んで、ベトナムの文化や歴史に興味を持った方も居るかも知れません。
大まかにでも把握しておくと勉強にもなるし、漫画もより味わい深いものになるでしょう。
では再見。
*1:無能なカメラマンは単に巻き込まれただけである。