近代経済学における貨幣理論である、Modern Money Theory(現代貨幣理論)について個人的にまとめてみる。特に¥と羊は関係がないようである。
↓御岳都雄ちゃん。
以下の書籍または参考サイトを基に要点をまとめていく事にする。
細かい部分は本書を読むか、借りるなどしてほしい。かなり簡潔にし、要点以外は省いてある。
MMT(現代貨幣)理論とは
・政府の財政・支出は企業・家計のそれとは全くの別物である。
・政府が支出するためには租税収入を必要としない。
・家計/企業/政府の総支出は総所得になる。
┗ある部門の赤字は他の部門の黒字であるという考え方から、全体としての恒等式はゼロになる (国内民間収支+国内政府収支+海外収支=0)
・金融資産=債務である
┗総資産から金融資産を引くと、実物資産のみ残る
・貨幣とは債券である
┗金などに交換可能な兌換紙幣ではなく、不換紙幣である。
・変動相場制における貨幣とは各種租税を支払うために存在し、そのために発行される
┗政府歳入を賄うために租税があるのではない
参考
特に 理由4.国債が全て円で発行されている を参照。
国債の100%が円で発行されていることと、自国で円を発行しているからできる = 自国通貨に対して主権がある(信用の裏付けがある)、そして変動相場制だからこそ可能なのである。格付け等の問題や実物資産の状態など将来的な問題はあるだろうが、余程愚かな真似をしない限り将来の日本人が特に困るという事は無いと思われる。そんなの別にどうでもいいが。
#女性とひつじ
— ひつじ人間@XᴥX@ (@sheephuman) 2021年8月14日
羊の毛刈りにはアスリート並みの体力が必要だとされており、カロリー消費量は1日5000キロカロリーである
女性の美容院代は一カ月、1万円以上~3万円未満である
出典:https://t.co/3wO6GEaJy3 pic.twitter.com/WyzUocoSYZ
・非裁量的な政府赤字は財政破綻に繋がらない
┗非裁量的な政府赤字は制度上の仕組みから、景気が後退した際に租税収入が減少し、自動的に民間需要を支えたものである。
裁量的な赤字は非効率的だという。
・額面上の紙幣は無から創造される
┗中央銀行がこれを行っている。銀行が開業資金の融資等で必要な資金を調達する場合、予め資金を蓄えたり、どこからか手に入れたのではなく、PCで画面上に打ち込む事に依りゼロから創造している。これにより、銀行は実物の資金を保有する必要がない。
銀行業務における債務の記録があるのみである。
・租税とは支出を賄うために存在するのではない
税には以下の4つの目的があるとされる
・購買力の安定化
・所得と富の再分配を政策として示すため
・様々な産業や経済集団を支援し、罰するため
・公共事業のような国益に関わるコストを分離するため
また、政府は貨幣をいつでも必要に応じて創造できる。本書では租税が貨幣を動かすと繰り返し主張している。
以上の理由により、税とは必要に応じて景気循環的に課されるべきである
┗景気が良いときには高い税・低い時には低く抑え、政府赤字として負担する
理想として完全雇用を目指し、そのために国内資源を消費すべきである。但し浪費は抑えるべきである。
MMT理論とインフレ
「ゆるやかな」インフレでさえあれば大きな問題はない
1923年のドイツで発生したハイパーインフレは教科書でも見た覚えがあります。現代における日本の貨幣制度では、このような事はまず起きません。異常に高いインフレは歴史的にも滅多に起きません。
参考1:ハイパーインフレーション#ドイツ - Wikipedia
参考2:日本のインフレ率の推移
近年は0.99 ~ -0.17で推移しています。
参考3 日本のインフレーション
ハイパーインフレが発生する主な要因
少なくとも、「紙幣を大量に発行するとハイパーインフレが起きる」というような単純な話ではない。
共通の問題
・社会的 / 政治的大混乱
・内戦、災害、それらによる生産能力の崩壊
・外貨や金で表わされる対外債務
近代の高インフレ要因
・所得税計算のタイムラグによる税収増加の遅れ
・租税強制能力の欠如(本書P466)
・租税収入が物価上昇に追いつかない状態に陥った
・多額の対外債務(賠償金など)
MMT理論の要諦とは、各種フローが矛盾なく記載され、各部門における資産の流動が差し引きで0になるという状態を志向するものである。過去のバブル崩壊のような、過剰な不動産・芸術資産の高騰による不良債権の増加などの例を見れば、現在に至る額面上の政府赤字も仕方がないのかも知れない。
つまりキャッシュフロー上の矛盾がそれだけあるという事なのか。まあ実際はどうか知りませんが、国民1人当たりにいくらの借金があるとか言われても釈然としませんし、
個人だとそんなものはどうだっていい事だと思います。